アライ鈑金
当店代表がリスペクトするアライ鈑金様についてのご紹介。
以下の文面、画像の出典はAUTO CAR JAPAN様の2012/04/25 Web掲載記事。
--------------------------------------------
TEAM ARAI BANKIN
穏やかに円熟の時を迎える
伝説のフェラーリ・ボディショップ。
「クラッシュしたフェラーリは完全修復できない」そういわれた時代にいち早くそれを成し遂げたアライ鈑金。その伝説的なボディショップの今は・・・
静かな住宅街の細い路地の奥にあるアライ鈑金。日本におけるフェラーリ修理の第一人者として、その名前はフェラリスティのみならずクルマ好きの間にも名高い、伝説的なスペシャルショップだ。
その起源は約40年前。時はベトナム戦争、同社代表の荒井克延氏は次々に傷つき帰投してくる米軍機のジュラルミン外装を修理する職人だった。そんな氏はあるとき知人に誘われた自動車レースのサポートでクルマに目覚めたという。そして26歳の時に現在の場所に工場を開く。アライ鈑金の始まりだった。
アライ鈑金は老舗の鈑金工場がパネル交換しかないと判断するようなアルミボディを鈑金で修復し、一液性ラッカー塗料が主流の時代に、当時最新鋭のグラスリット社の二液性ポリウレタン塗料と専用ブースによる低温焼き付け塗装を先んじて採用していた。それが同社の塗装は新車のものよりも美しいという評判を呼び、スーパーカーのオーナーや専門店などからの依頼が舞い込むようになったという。
さらに当時はフレームまでクラッシュしたフェラーリを完全に修復するのは無理だといわれていたが、いち早く導入したジグベンチ式フレーム修正機を活用し、再びサーキット走行が可能なレベルにまで修復してみせた。そうした技術と実績はメーカーやインポーターからも認められるところとなり、長年に渡って新車の納車前検査も担っていた。
そんな同社の技術力とセンスを端的に示すのが荒井氏の愛車である328とF40の存在であろう。共にサーキットでの速さと愉しさのためにボディから足回り、機関に駆動系、果ては電装系に至るまで隙なく手が入れられており、その独特のオーラは同社に集う跳ね馬たちのカリスマとなっている。
そんなイメージもあり近寄りがたいと思われがちな同社だが、意外にも近年では個人のオーナーからの直接の依頼に少数精鋭で応えるスタイルへシフトしているのだという。「おかげで今は本当にやりたい仕事だけを、腰を落ち着けてできるようになりましたね。」と荒井氏は語る。
その言葉を裏付けるように、ファクトリーには多くの328から355のV8フェラーリたちが穏やかな雰囲気の中、作業を受けていた。機関のオーバーホールや足回りのセッティングなども行われている。
また取材当日、塗装ブースに佇んでいたのはランボルギーニ・ディアブロ(漫画家・本そういち氏の愛車とのこと)。このようにフェラーリ以外のプレミアムカーたちも、同社の仕事と荒井氏の人柄を慕ってやってくるのだ。
また、BBやデイトナなど今やクラシックともいえるモデルの修理でお困りの方も任せて欲しいとのこと。かつて数々の栄光と尊敬を手にしてきたフェラーリのスペシャリストは、今、円熟の時を迎えて静かにここにある。だからあなたのクルマへの想いが本当のものならば、その扉を叩くことに躊躇は必要ない。彼らは必ずその想いに応えてくれるはずだから。